上司からの監視はパワハラなのか?その境界線について実体験をもとに考察

あなたも、上司から監視されていると感じたことがあるのではないでしょうか?

 

中には、監視どころかパワハラまがいの行為を受けている人もいるかもしれません。

 

 

上司が部下の行動をある程度把握することは、業務管理上も必要な行為ではありますが、監視まで行ってしまうと、それはただのパワハラです。

 

 

ここでは、監視された経験と、管理する経験を元に、管理とパワハラの境界線について書いていきます。

【こんな悩める会社員へ】

・上司から監視されていると感じている人

・行動を細かくチェックされている人

・上司の行動に息苦しさを感じる人

「管理」と「監視」の違い

履き違えている中間管理職は多い

上司は部下の管理責任があり、会社員には職務専念義務というものがあります。

 

 

職務専念義務というのは、会社で業務時間として定められている時間は、仕事に専念しなさいよ、という義務ですね。

 

確かに仕事をして対価を得ている以上、その義務は当然課せられるもの。

 

 

ですが、人間はそこまで集中力を保っていられない生き物です。

 

 

席に居てもぼーっとしてしまうことはあるし、空腹になればお菓子をつまんだりもするし、ノドが渇けば、水分を補給します。

 

 

それは人間として当たり前の欲求であり、現象である以上、日がな一日ぼーっとしてお菓子を食べているだけではない限り、管理の対象ではないはずです。

 

 

上司が管理すべきことで最も大きい割合を占めるものは、部下の業務状況です。

 

 

勤務態度(勤怠や勤務中の態度)も管理対象ではあるが、コーヒーを飲んだり、トイレに行く回数まで管理していたのでは、自分の仕事ができない。

 

 

その辺は「社会人として常識的な範囲内」であれば、特に問題視されることはないはずですが、管理職の仕事は部下の「管理」だと考えている上司は、驚くほど多いです。

 

 

例えば、花壇の手入れをしているとしましょう。

 

 

花壇に植えた花が、順調に育っているか、日当たりはいいか、水や栄養は足りているかを見ながら、雑草を抜いたりして、最終的に綺麗な花を咲かせることを目的として手入れをするのが「管理」。

 

一方、花壇の花に、虫がついた、葉が落ちた、と現象を捉えて記録するものの、最終的に記録することが目的になってしまっているのが「監視」です。

 

 

当然、花壇全体に目が行き渡っていないため、花は綺麗に咲きません。

 

 

つまり、目的と手段が入れ替わっていることに気付いていないのです。

 

 

部下に目配りをするのは上司の仕事でも、部下の行動を監視するのは上司の仕事ではありません。

 

 

次に、「管理」と「監視」を履き違えた管理職の実例を元に、その違いをさらに掘り下げていきます。

履き違えた上司は、戻れない

これは、私が監視された側の話です。

 

半年という短い期間勤めた会社は、本社が別の場所にあり、私はサテライトオフィスで事務員として勤務していました。

 

 

オフィスが離れているということもあり、勤務を開始する時と退勤する時にメールをして欲しい、というのは聞かされていました。

 

 

ある日、本社の上司から電話が掛かってきた時、私はトイレに行っていて席を外していたため、折り返し連絡を入れたところ、びっくりすることを言われたんです。

 

 

「トイレに行く時と、戻った時はメールを入れろ」と。

 

 

サテライトオフィスとはいえ、同じ部屋には課員もいます。

 

 

彼らにはそんなことを言わないのに、どうして私だけ、と思いましたが、まあ勤怠管理の一環か、と思いながら従いました。

 

 

ですが、次第に要求はエスカレートしていく一方。

 

 

コピー機が別室にあったため、コピーを取りに席を立ったらメール。

同じフロアにあった自販機に飲み物を買いに行ったら、メール。

お客様や業者の対応で席を立ったら、メール。

 

 

私に言わせれば、コピーを取るのもお客様対応も業務の一環です。

 

いちいちメールしている時間があれば、さっさと対応してしまいたい。

 

 

そんな抗議が良くなかったのか、最終的には、お昼休みに何をしていたか毎日報告しろと言って来るに至って、私がブチ切れました。

 

 

お昼休みは、法律で定められている休憩時間です。

 

そこで私が何をしていようと、上司に管理される謂れはありません。

 

 

私が仕事を滞らせているならともかく、使いづらさが頂点を突き抜けているシステムを使って、命じられている仕事は全てリードタイムつきで仕上げているというのに、あなたは何を管理しているつもりだ、と電話で噛み付きました。

 

 

下っ端社員である私が噛みつくなどとは思っていなかったのか、上司がしどろもどろになってその場は終わったが、この先もこの人と仕事をするのかと思えばうんざりし、証拠となるメール一式を揃えて、人事部に報告した後に退職届を送りました。

 

 

私のケースで言えば、勤怠管理は労務管理の一環であり、上司がすべき「管理」の範疇です。

 

コピーやお客様対応も、まあ過剰ではあるが、オフィスが離れているという点を考慮すれば、範疇といってもいいかもしれません。

 

ですが、お茶を買いに行ったり、トイレに行った時間まで管理するのは、明らかに「監視」の範疇に入ります。

 

 

ノドが渇くのも、トイレに行きたくなるのも、生理現象であり、本人がどうこうできるものではないのです。

 

 

体調が悪ければ、トイレに行く回数が増えることだってあるでしょう。

 

 

それは極めてプライベートな問題であり、上司がそこまで介入するのは、パワハラだと言えます。

 

 

「管理」と「監視」を履き違えた上司は、エスカレートする一方で後戻りができなくなるのです。

行き過ぎた行為が、パワハラになる

自分は正しいという思い込み

これは、私の勤務していた会社で実際に起きたことです。

 

 

とある営業系の部署で、Aさんという管理職とBさんという営業職がいました。

 

 

Bさんは営業成績もそこそこよく、クライアントからの受けもいい人。

一方のAさんは、主任から課長に昇格した人で、現場経験も豊富な人でした。

 

 

この会社では、課長になるとリーダー研修を受けなければならず、研修を受けて戻ってきたAさんは、初めのうち、とても上手く課を回しているように見えました。

 

 

ですが、Bさんが些細なミスをした頃から、課の様子は変わっていくのです。

 

 

AさんはBさんの行動一切を管理するようになり、営業先からの戻りが遅いと言っては衆人環視の中で叱責するようになりました。

 

 

それが正当なものであったとしても、部下に注意する時は細心の注意を払うのが管理職の常識です。

 

 

「またコーヒーを買いに行ったのか」

「廊下で立ち話をするな」と、

Aさんの言動は次第に細かくなっていき、部内の管理職会議でも問題視されるようになっていた矢先、Bさんが人事部に一通の診断書を持って訪れました。

 

 

病名は「うつ病」。

明らかに、Aさんの行き過ぎた「管理」が引き起こした事態でした。

 

 

Aさんの言い分は、「Bのためを思ってしていたこと」だったが、現実としてBさんがうつ病になってしまった以上、それは理由にも根拠にもならず、言い訳ですらありません。

 

 

AさんからBさんに送られたメールの中には、明らかに管理の範疇を越えた文言がありました。

 

「コンビニで15分もかかるなんて有り得ない」「サボっていたんだろう」等、パワハラとして認定するに充分でした。

 

 

Bさん以外にも被害者がいないか、調査をした結果、他にもBさんほどではないが行動を管理されていた人がいたことも分かりました。

 

 

Aさんは後に、調査に対してこう言っています。

 

Bがまたミスをしないように、管理する必要があると思っていた」

 

これこそ、ひどい思い込みというものです。

 

 

そもそも、きっかけになったミスにしても、よくあるミスといえばよくあるミスで、クライアントも「もー、気を付けてくださいね」という程度で済んでいたといいます。

 

 

Aさんがすべきだったことは、Bさんや他の課員が同じミスをしなくてもいいように業務手順を見直すことであり、行動を管理することではなかったのです。

 

 

Aさんには降格処分と本社から地方への異動が決まったが、Aさんは退職を選びました。

課は解体され、課員は他の課へと分散することに。

 

 

Bさんは休職後に復帰したものの、以前ほどのパフォーマンスは出せていないと聞きます。

 

上司が後戻りできないのは、自分の過ちを認められないから。

そして、自分は管理職だからと、役職を言い訳に、自滅の道を辿るのです。

 

 

1人で自爆するなら勝手にしろ、という話ですが、部下を巻き込んで道連れにするような人物は、管理職としての意識も適性も低いと言わざるを得ません。

管理と監視の境界線とは

ここまで見てきて、あなたは「管理」と「監視(=パワハラに発展し得る行為)」との境界が、とても曖昧なことに気付いたのではないでしょうか。

 

 

パワハラと認定される行為に踏み込んでくる上司の特徴は、今まで書いてきた通り、「管理」と「監視」の意味を履き違えている点です。

 

 

ただ監視されているだけでも嫌なものですが、実害が発生しなければ、なかなかパワハラとして認定されないのも事実。

 

 

そこで、曖昧な境界をあえて定義するとすれば、下記がポイントとなるでしょう。

 

・あなたの行動を逐一チェックし、あげつらうような注意を受ける

プライベートに踏み込んで管理してくる(休憩時間の行動管理やデスクの私物チェック等)

 

私に言わせれば、部下のプライベートまで監視するなんて、どれだけお前は暇なんだ、と嫌味のひとつも言ってやりたいくらいです。

 

 

業務形態によれば、細かく管理をしなければならない職場もあるでしょう。

 

例えば工場などであれば、事故防止の観点から、部下の行動を見ておかなければならないという可能性もあります。

 

ですがそれは、勤務を開始する時点で告知し、あなたの同意を得るべきことであり、行き過ぎればやはりパワハラになります。

 

 

もしもあなたが、上司から監視され、精神的・肉体的につらいと感じているのであれば、上記の定義を参考に行動に移って欲しいです。

上司からの監視はパワハラ?【まとめ】

・「管理」と「監視」を履き違えている上司はパワハラに発展しやすい

・正当な「管理」も行き過ぎればパワハラ

・プライベートまで踏み込んで来たら、迷わず行動を起こす

 

 

誰かに監視されているという状態は、それだけでも精神的な負担になります。

あなたもつらい状況にいるのではないでしょうか。

 

 

上司には部下であるあなたの管理義務があるが、監視までする必要はありません。

 

あなたに何か問題があるのなら、それを注意すればいいだけだからです。

 

 

あなたの上司の行動が、管理の範囲内なのか、パワハラに該当するのかを見極めて、あなたが気持ちよく過ごせる状況を探って欲しいと思います。

 

あなたが実力を発揮できる状況を作ることこそが、上司の義務だからです。

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