
どのような上司がつくかによって、職場の雰囲気は大きく変化し、時には仕事のやりがいまでも左右されてしまいます。
信頼していた上司であるほど、その期待を裏切られたときの失望感は大きいでしょう。
ここでは、上司を信頼できなくなったらすぐに実践できる改善方法を、実体験に基づいて紹介します。
事前に対策を知っておけば、上司によってあなたが不利益を被ることを回避できるはずです。
もくじ
信頼できない上司との付き合い方
世の中には以下のような上司がよくいますよね。
・仕事が遅く、挙句の果てに忘れる
・人はいい、ただそれだけ⇒上司はいい人だけど、自分とは合わない場合はこちらをどうぞ
・自分の意見がない
・上にペコペコ
・事なかれ主義
・部下に責任転嫁する
・何をしているのか不明な外出や離席が多い
・いつもパソコンの画面がデスクトップorニュースサイト
このような相手を思い通りに変えるのは大変ですが、
自分を変えることはあなたの意思ひとつですぐにできます。
そこで、上司によるストレスを減らすためには以下の点をお勧めします。
上司は「その他キャラ」と認識する
私が以前、信頼できない上司に対して毎日イライラしていた時、田村耕太郎の著書「頭に来てもアホとは戦うな!」の一節に救われた経験があります。
それは”仕事に敵という発想はいらない”ということ。
同書によれば、
“敵とは排除する発想からきているもので…(中略)…勝手なイメージからくる「食わず嫌い」のようなものだ。人生経験が増えれば人の好みも変わるし、人に対する深い理解も増してくる。”
とあります。
これを読んだとき、自分が上司に対してまさに「食わず嫌い」だったと深く反省しました。
「嫌い」や「ムカつく」といった感情は、相手の良い情報でさえもシャットアウトしてしまい、時として相手の評価を適正に行わせることができなくなってしまうのです。
それは非常にもったいないことではないでしょうか?
その上、人に対して寛容になり受け入れることは、あなたの精神的な成長に繋がり、損するどころか、得でしかないでしょう。
“敵”と“味方”に分かれるよりも、
“味方”と“その他”といったように「敵」をつくらないほうが心を平穏に保つことができるはずだ。
接触を減らすことで時間的・精神的な距離を取る
年に一度程度合う友人や、街中で偶然再会した知り合いなど、「レア」な人と話すことは非常に楽しく、特別なものです。
一方で、どんなに好きな恋人でも、毎日同じ部屋に寝泊まりしたら、お互いの嫌な部分が目につき、イライラすることも多いでしょう。
このように、人との物理的・時間的な距離感によって私たちの感情は変化します。
つまり、上司と可能な限り接触を減らすことで、冷静になり、結果としてストレスを軽減できるのです。
しかしここで重要なのは、
「表面上でも良好な関係を崩してはならない」
ということ。
いくら信頼できないといえども、上司であることには変わりありません。
そのため、相手に悟られない程度に距離をおき、お互いの関心を減らすことが得策です。
プライベートに首を突っ込みたがる上司への対処法
本人にそんな意識はなくとも、このタイプの上司は極めて迷惑な存在です。
例えば、あなたが長期休暇中に旅行に行ったとしましょう。
土産を持って出社した時に、
と尋ねられるのは、いわゆる世間話の範疇でしょう。
しかし、プライベートに首を突っ込んでくる上司は、「誰と行ったのか」や「どこで何をしていたのか」など、事細かに聞いてくる。
世間話の延長としてあなたが話す分には問題なくても、そこまで聞いてくるなよというようなことまで聞いてくるのが、このタイプ。
このタイプの上司の何が迷惑かというと、
口の軽いタイプが多いことです。
知らないところで、他人にあなたのプライベートを吹聴し、言ってほしくないこと、上司として言うべきではないことまで言うのです。
対処法としては、出す情報を最低限に絞ること。
先ほどの例でいうなら、
で、さっさと話を切り上げて退散する。
一方で
と思う人もいるかも知れませんね。
私のかつての上司は、私がとある病気で入院・手術が必要になったため、診断書と共にその旨を伝えたところ、とても心配してくれて、親身になってくれました。
しかし、一週間も経過しないうちに、違う部署の同期から
「病気で入院して手術するんだって?!」
と言われたのです。
会社で私がその話をしたのは、上司のみ。
となれば、情報源は当然、上司ということになります。
同期に確認すると、同期の部署の課長に大きな声で私のことを話していたといいます。
病名や病状まで言いふらす神経が、私にはまったく理解できませんでした。
口が軽い上司というのは、「言っていいこと、悪いこと」の区別がつかない上司ということでもあります。
信用ならない人間に出す情報を絞るのは、当然のことだと割り切りましょう。
人間性に問題ありな上司への対処法
仕事は出来る、上層部の評価も高く、他部署からの評価も高いが、部下にしてみれば
という上司。
例えば、正論で人をぶん殴ってくるタイプや、社内不倫をしているタイプでsy。
私はどちらのタイプも知っているが、とにかく厄介です。
という論調でご高説を垂れられては、部下は
としか言えない。
そんな事を繰り返していては、部下が萎縮し、自分で考えることを放棄してしまうことも理解できないのは、果たして「常識的に考えて正しい」のか、首を傾げることも多かったものです。
また、いくら仕事が出来て人当たりが良くても、社内で不倫に及ぶのは人間性を疑います。
他部署ならまだしも、自分の部下に手をつける上司は、控えめに言っても最低です。
他部署のマネジメントがそれをやらかし、「勘弁してくれよ」と思っていた矢先に、
奥様が上司の不倫に気付き、弁護士付きで会社に乗り込んでくる、
という阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられたのを見たことがあります。
傍から見ている分には、
うわあ…m9(^Д^)
という感想だけで済みますが、自分の直属の上司だったらと思うとぞっとします。
人間性に問題のある上司に対して、一番効果的な対処法は「深く関わらない」の一言に尽きる。
業務上、必要な場面以外で関わらないことが、結果としてあなたを守ることにもなるでしょう。
距離感を保つということ
結局のところ何が重要なのかと言えば、信用できない人間に対して、適切な距離感を持って接するという点に尽きます。
具体的に言うと、
「上司の言動を鵜呑みにせず、まず自分の頭でそれが妥当か考える」
というワンクッションを置くのです。
そうすることで、自然と心理的な距離は遠くなります。
あなた自身が思考することで、主体はあなたになります。
例えば、上司が「これはAじゃなくてBだ」と言ったとしましょう。
それに対して、あなたが「確かにBだ」と思えたならば、その通りにします。
「いや、Aだろ」と思うのならば、上司に対して反論するなり、反論を聞かないなら他の策を、と思考や行動が広がる。
それらの思考や行動の主体はあなた、というわけです。
しかし、会社という限られた場所での関係は、その距離感がもっとも適しているのではないでしょうか。
あなたの人生において大きなウェイトを占めるとはいえ、会社はあなたの人生のすべてではありません。
適切な距離を保ち、表面的な付き合いに留めておくことで、無用なトラブルも避けられるでしょう。
ストレス発散
あなたがいくら頑張っていても、時には大きく失望し、ストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
そのようなときは、あなたの趣味や職場の分かり合える仲間と話すなどで、ストレスを発散してほしいです。
個人的にはスポーツなどの「肉体的な疲労」をお勧めします。
上司によるストレスは精神的な疲労であるため、精神の逆の「肉体」を使って疲労させることで気分転換につながるんです。
以前、信頼できない上司に悩んだとき、相手に対するどうしようもないムカつきを全てランニングにぶつけたところ、心をすっきりさせることができました。
全身クタクタになるまで猛スピードで走ることで、疾走する気持ち良さを味わうとともに、疲れすぎて上司のことなどどうでもよくなったのです。
また、物事に集中する時間をつくることでも一時的に相手のことを忘れることができるので、ストレスを減らすことができます。
スポーツが苦手であれば、難しすぎず、簡単すぎない計算ドリルやパズル、手芸など、何か一つのことに集中する時間を意識的につくるとよいですよ。
仕事上の被害を回避する3パターン
信頼できない上司によって引き起こされる仕事上の被害は、以下のケースが多い。
VS 決定力がなく、部下に決めさせた結果、責任を部下にとらせる上司
決めるべき問題を決定できない上に、「決めたのは君だよ」と言われたとき、
深い谷底に突き落とされたような気持ちとともに、
と、叫びたくなります。
このような嫌らしい上司には「誘導」が有効です。
決定しない上司は、物事のメリット・デメリットを整理し、考えをまとめることが苦手であるために、先延ばしにするのです。
そのため、こちらで
と、選ぶだけの状態に持っていけばよいです。
この場合、あくまであなたは「提案」したが、
「決定」したのは上司であるため、決定の責任は上司にあります。
さらに、決定内容が業務の進め方といったような、会社の利益とは無関係の内容である場合、
あなたのやりやすい提案に固めることも可能です。
また、上司へ提案する前にキャリアの長い先輩へ相談し、上司以外の内々の賛同を得ておくことで、より円滑に業務を進めていくことができます。
VS 上を見て仕事をする上司
このタイプの上司は、とかく言動に一貫性がありません。
上層部のご機嫌伺いに終始し、時間をかけて積み上げてきたプロジェクトをふいにすることも厭わない、部下から見れば、ただの鬼です。
ひとつの仕事には、何人もの人間の工数が詰まっています。
担当者ひとりの問題ではないというのに、それを理解せず、尊重しないから、上層部の意見ひとつでコロリと手のひらを返せるのです。
こういう上を見て仕事をする上司への対処法は、
「受け流して理論武装」するに限ります。
上層部のゴーサインが出たから始めたプロジェクトだったというのに、
別の役員が「コストが高い」と言い始めたせいで、上司がいきなり別の方法を検討しろと言ってきたのです。
予算にも余裕を持っていたし、何よりプロジェクトは中盤に差し掛かっていました。
それをスタートラインにいきなり戻した上で、方法の検討から始めていては、既に発表しているスケジュールに間に合わせることは不可能。
急遽、プロジェクトメンバーのみのミーティングが開催され、全員一致で今のまま進めることを決めました。
そもそも、コストが高いと言い出した役員は、プロジェクトを統括している役員ではありません。
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを統括している役員に話をしてくると言い、私はプロジェクトをやり直した場合のコストを算出しました。
もちろん、工数と数字は盛りましたが。
概算なので、問題なし。
結果どうなったかというと、上司は担当役員からの叱責を受けることとなりました。
これは極端な成果が出た例ですが、重要なポイントは
「どうせまた指示は変わるんだから、気にしてられるか」と、
受け流すことです。
いちいち右往左往させられる時間も労力も、無駄以外の何物でもありません。
しつこく指示を繰り返す場合は、明確な数字を出すと黙ることが多いので、ぜひ試してみて欲しいです。
VS 仕事がとにかく遅い上司
あなたがやるべき作業を終わらせても、上司のところで承認作業などが滞ってしまえば、
社外の人から見たらあなたは仕事を「やっていない」と思われてしまうこともあるでしょう。
それではあまりにも不合理です。
このようなだらしない上司には以下2点の方法をお勧めします。
リマインドを怠らない
基本中の基本ですが、上司との関係性や相手の性格によっては言いづらいと感じることもあるでしょう。
人に催促するというのは、誰でも気が引けるものである上、相手が上司ともなればなおさらです。
そのような時は、上司とうまく渡り合える先輩経由で伝えてもらうことも有効です。
私がよく使う手段ですが、同じことでも別の人が伝えることで、はるかにスムーズに動くことが多いですね。
また、あなた自身が忙しいと、時には忘れてしまうこともあるでしょう。
付箋などtodoリストに残し、上司のスケジュールを確認しながら、機会のあるごとにリマインドを怠らないようにするのも、当たり前ではありますが大切なポイント。
私は以前、承認があまりにも遅く、挙句の果てに忘れてしまう上司の元で働いていました。
はじめはその上司に催促することがとても心苦しく、言いづらい気持ちから納期ギリギリまで催促できなかったことがありました。
その上タイミングが悪く、しばらくの間上司が外出して不在だったため、納期に間に合わせることができなかったのです。
私がもっと上司に訴えていたら、一時的な嫌な気持ちはあるものの、社内外へ迷惑をかけてしまうようなことは起きなかったでしょう。
それからは、他の人から私が「だらしない人」と思われ、信用を失う方が恐ろしいと考え、上司にリマインドを怠らないように努めています。
上司のペースを見越した対応をとる
上司にも都合があり、ある程度時間がほしい事情もあるものです。
そのため、ルーティーン業務であれば
初めから相手のペースを加味したスケジュールを立てることで充分回避可能です。
私は以前、作業に時間がかかりすぎる上司と、外部の顧客との板挟みにあって悩んだ経験があります。
上司は外出や会議が多く、不在にしがちな上、細々とした確認作業を後回しにする傾向がありました。
ある時、上司の作業が遅い為に、顧客へ示した期日ギリギリにようやく納品できた経験があります。
それからは、
「上司のタイミング管理も私の仕事のうちだ」
と考えるようにし、余裕をもってスケジューリングするようにしたところ、
心理的余裕をもつことができるようになりました。
また、ギリギリで提出して「承認ください」と言われるより、
余裕をもって提出しておけば(日付や時刻など履歴が目に見えて分かればなおさら良い)、
相手の手落ちとなるので、請求する側の心理的にも楽です。
上司を信頼できなくなったら【まとめ】
・表面上は良好に保ちつつ、最低限の接触にとどめる
・上司を「敵」として見ずに、「その他」と思う
・上手にストレス発散する
・決定力がない上司には「提案」が有効
・仕事が遅い上司には、相手のペースを見越した対応をとり、リマインドを怠らない
本来は頼れるべき上司が信頼できないというのは、失望感もさることながら、不安な気持ちも大きいでしょう。
そのような時は上司本人に対して感情的になってしまいがちではありますが、円滑に仕事をしていく上では有効ではありません。
相手を変えることができなければ、自分を変えてしまえばよいのです。
また人間は、相手に対する「期待」が裏切られたときにストレスを感じるもの。
酷な表現かもしれませんが、「上司はそういうもの」と、ある程度割り切ることも時には大切です。
そうすることで、業務上のストレスを大幅に減らすことができます。