
今は働き方改革の影響もあり、比較的ホワイトな会社が増えていると言われています。
ですが、私がプログラマーだった当時は、残業どころか徹夜して始発で帰宅し、シャワーを浴びたら定時で出勤が当たり前だったのです。
私は既に転職して久しいですが、
今回は現役のプログラマーたち(自社開発・下請け・フリー)に、最近の残業に関する話を聞いてみました。
もくじ
プログラマーの残業事情3パターン
①自社開発の場合
自社開発案件を持てる会社というのは、IT企業の中でも大手であることが多いです。
今回、話を聞かせてくれたAさん(30代)は、メーカーの自社開発に携わっている人。
彼が勤務している会社は大手企業であり、彼のような開発に関する人員も十分に足りているといいます。
40時間が多いか少ないかは、受け取り側によって感じ方が異なるでしょうが、私が現役だった頃と比べれば、天国のような少なさだと言えます。
これは大手の自社開発案件ならでは、といったところでしょうか。
ついでなので、「よその部署で、デスマってないの?」と聞いてみたところ、「ない」との回答でした。
彼の勤務する会社の場合、下請けも入っているが、そこを含めてもデスマーチは発生していないんじゃないか、とのことです。
②下請けの場合
下請けでも、一次請け、二次請けと進んでいくにつれて、納期も予算も少なくなっていくというのが常識です。
Bさん(40代)が現在入っているプロジェクトは、三次請けのプロジェクト。
やはり下請けでは、自社開発案件を持っている大手と状況が異なります。
と語ってくれたBさんは、アプリ開発を主に担当しています。
下請けの場合、元請けとの交渉は営業が当たることが多いです。
今回の案件の場合、営業が安請け合いして納期を決めてきたため、散々なことになっているとのこと。
営業の力量によっては、納期に余裕があるプロジェクトもあるとのことなので、
営業の力量に左右されるという点は覚えておきたいところですね。
Bさんは、新卒からのプログラマーであり、業界歴は20年以上に及びます。
人手は相変わらず足りず、脱落者も多いとのこと。
「昔より稼げなくなってるっていうのも、人が来ない原因かもしれないね」というコメントが重たいです。
③フリーの場合
最後にCさん(40代)です。
彼女は20年以上、東京のシステム開発会社で働いていましたが、退職。
今は、フリーのプログラマー(基幹技術系)として、スポットで仕事を請け負っています。
フリーと一口に言っても、様々な形態があります。
クラウドソーシングサービスを使って受注する人もいれば、彼女のように、退職した会社から仕事を請け負う人もいるのです。
最後のデスマはいつ? と聞いてみたところ、「5年くらい前じゃないかな」との回答でした。
なぜプログラマーは残業が多くなるのか
それぞれ、所属の異なる3人に話を聞いてみた結果、下記2点の現状がわかりました。
・残業時間は、10年前と比べれば少なくなってきている
・自社開発案件を持てる大手と違い、中小企業の場合は、減少幅が小さい
では、
と尋ねてみたところ、興味深い回答が返ってきました。
見事に理由がバラバラです。
ですが、業種と職種によって、理由は異なるということは判明しました。
また、Cさんの言うように、若手のうちは勉強しながらプログラミングしていく人も多いため、必然的に残業になるということもわかります。
さらに、
と尋ねてみると、3人は少し考えた後、それぞれにコメントをしてくれました。
どの人の言葉にも、なるほどなと思わされる内容があり、考えさせられました。
残業が多いのは、会社の規模や業種、職種によって理由が異なり、残業するのが当たり前かどうかといえば、恒常的に残業が発生するのは、状況的に仕方がない、ということになりますかね。
彼らの話は、あなたにも共感できる部分があるのではないでしょうか。
まだ改善の余地はあるが、残業は減っている
彼らの話を聞いて、かつて過労死やうつ病の宝庫と言われていたプログラマー界隈も、随分と変わったなあ、というのが実感ですね。
ただ、依然として下請け企業は元請け企業からの無茶振りや、予算の少なさに悩まされていることもわかり、この辺はまだまだ改善の余地がある部分でしょう。
賃金の問題についても、Bさんが
と言っていました。
AさんとCさんは、そこまで賃金については切実ではないそうですが、それは働き方の違い・所属会社の違いというものです。
プログラマーは残業が当たり前?【まとめ】
・環境的には残業時間の多さを問題視し、対策を取りはじめた会社が多い
・自社開発案件を持てる会社と、下請け会社とでかなりの差がある
・全体として残業時間は減っている
・固定給が少ないため残業時間が少なくなると、賃金も下がる問題がある
現役のプログラマーたちの話を書いてきましたが、あなたはどう感じましたか?
私が感じたことは、「所属会社や、持っているスキルに対するニーズによって状況はかなり違う」ということですね。
あなたが、どうしても定時帰りをしたいというのであれば、それが可能なスキルを持ち、会社も選ぶ必要があり、フリーになるという選択肢も視野に入れなければならないでしょう。
業界全体の残業体質は改善されつつあるとはいえ、賃金の問題も含めると、すぐに改善とはいきません。
それらの要因を踏まえつつ、あなたの今後について考えていくべきでしょう。