
初めは意気込んでいた仕事も、慣れてくると何となく悪いところが目立ち始めます。
と、転職を考えるのも悪いことではありません。
モチベーションが上がらないまま勤務していたところで、あなたも会社も不幸だからです。
ですが、今のまま転職をしても、恐らく数ヵ月から1年程度で、また同じ状態になります。
「逃げの転職」にしないために何をしていくべきか、ここで解説していきます。
もくじ
仕事のやる気がなくなったからといって急いで転職しない方がいい理由とは?
原因が分からなければ、意味がない
仕事に対してのモチベーションを失う理由は人それぞれにあり、「これが原因だ」という確たる理由がある方が珍しいです。
そもそも確たる理由があるのなら、モチベーションを失ったから転職したい、とは思わないでしょう。
あなたの場合も、あれやこれやが積み重なった結果の、「嫌気がさしてやる気を失っている」という状態なのではないでしょうか。
仕事を辞めるにせよ、まずはあなたがやる気を失った原因の中でも比率の高いものを突き止めなければなりません。
なぜなら、そこが分かっていなければ、次もまた同じ理由でやる気を失う可能性が高いからなんですね。
逆に、原因を分かっていれば、転職先を探す際にも基準を設けることができるというわけです。
私が見てきた限りでまとめると、やる気を失う時の理由としては、下記の理由が多いです。
・仕事に対する違和感(適性がない、好きになれないなど)
・待遇への不満(給与、残業時間など)
・人間関係のわずらわしさ
あなたにも、何か当てはまるものがあったのではないでしょうか?
①仕事に対する違和感
会社は、中に入ってみなければ分からないことが結構あります。
仕事への適性もそのひとつですね。
適性診断や、自己評価では「向いている」と思ったものが、意外と向いていなかった、なんてことは、よくある話なのです。
向いていない仕事、好きになれない業務内容では、やる気をなくすのも無理はありません。
業務そのものに対してモチベーションが保てないようでは、仕事の質も上がりません。
当然、評価もされず、ますますモチベーションが落ちるという悪循環です。
その場合は、まずあなたがどんな仕事なら「好き」で「向いている」と思えるかというのを基準に考えていくといいでしょう。
上司として部下からそういう相談を受けていた頃は、まず
と訊いていました。
例えば、「映画を観ている時」であったり、「ショッピングをしている時」であったり。
そういう具体的なものを引っ張り出すことで、思考の方向性をつけるのです。
自分が「楽しい」と感じることに関連する仕事というのは、やはりモチベーションを保ちやすいですね。
嫌な仕事で待遇も悪くて、となると耐えられませんが、好きな仕事だけど待遇が悪い、となると、意外と踏ん張れるものです。
②待遇に対する不満
仕事に対して不満はなく、待遇に対しての不満が大きい場合。
これは我慢するか転職するかしか、選択肢が存在しません。
特に給与などの経済的な理由を伴う不満は、実生活にも影響するもの。
給与体系や会社の体質、規模をまず考えて、不満を訴えれば改善が可能かどうかをまず考えたいところです。
ただ、あなたの会社の規模が中規模~大規模ならば、考えるまでもなく転職準備を始めるのが吉です。
なぜなら、
・改善を訴えたところで一朝一夕に組織が動くということは考えられないこと
・どこの会社も人件費を減らしたいと考えていること
などを考えると、労力に見合うとは思えないからです。
③人間関係のわずらわしさ
仕事や待遇には特に不満はないけれども、とにかく人間関係に問題がある場合は、上司と相談することで改善が見込める場合があります。
相談するにしても、上司が信頼に足る人物であることが前提条件となりますが、①や②に比べれば改善への難易度は低いです。
私も、人間関係がつらいから退職したいと言われたら、まず環境改善をするから待ってくれ、と引き留めていたものです。
人間関係が原因である場合、厄介なのが感情に起因している点です。
社会人であれども人間である以上、個人的な好悪があるのは致し方ありません。
そして、感情でもつれてしまうと、第三者が間に入ってもこじれるばかりです。
だから私は、一切仲裁などはせず、配置換えで解決を図ることが多かったです。
社内で興味のある部署があるなら、そこへの異動を上司に打診するのも手でしょう。
転職先は在職中に決めておく
あなたがもう
と退職届の下書きを始めているのなら、私は全力で
と言いたいです。
もう転職先は決まっているでしょうか?
まだなら、まだ動くべきではありません。
まずは落ち着いて、前項で書いた通り退職に至る原因を見つけ、転職活動を始めることです。
以前わたしの部下だった人で、衝動的に退職届を提出して退職した人がいました。
その直情径行な性格を気にしていましたが、本人も大人であり、自分でよく考えて決めた事だろうからと、こちらは退職の手続きを取ったのですが、3ヵ月ほどした頃に連絡が来ました。
と尋ねると、
と言うのです。
中途採用の求人は年中出ていますが、条件のいいものとなると競争率も高いし、その時はタイミングも悪く、求人数はかなり少ない時期のようでした。
彼は決して無能な人ではなかったのです。
事務処理能力も高かったし、環境適応能力も高く、クライアントからの評価も高かったです。
会社としては逃したくない人材だったのですが、いかんせん飽き性でした。
じゃあ、ランチでも食べながら話そうかと待ち合わせ、会ってみて驚きました。
どちらかと言えば自信にあふれていて、いつも明るく元気だった彼が、すっかり萎れてしまっていたからです。
「全然仕事が決まらないんです」と言いながら差し出された、職務経歴書と履歴書。
私にこれを見て欲しいのかと苦笑しながら受け取って見てみたが、特に問題はなし。
実際、書類は通るのだといいます。
新卒入社で会社に入り、当時2年目だったでしょうか。
彼は恐らく、すぐに転職先は見つかるとタカをくくっていたのでしょう。
と問うと、
との答え。
で、受からないんです・・・と。
でしょうね(*´ω`)
と呆れてしまいましたが、一度は縁のあった子です。
と、正直に伝えました。
彼は会社に戻りたかったようですが、彼を戻すメリットとリスクとを天秤にかければ、答えは「NO」です。
彼が転職に要した時間は、約半年。
後先考えずに退職届を出すリスクの高さが、ご理解いただけるのではないでしょうか。
次の職場を決めてから退職すれば、あなたも余計な気苦労をせずに済み、無駄な空白期間も作らずに済むのです。
仕事のやる気なくなったからすぐ転職はヤバい?【まとめ】
・やる気を失った主な原因を見つける
・転職するなら、次の職場を決めてから
・あせらず、落ち着いて考えてから行動する
何をどうやっても仕事に対するモチベーションを上げられなくなる時というのは、確かにあります。
その原因がどんなに些細なものであれ、当人にとっては一大事ですよね。
悩むのも、その場から逃げたいと思う気持ちも、よく分かります。
だからこそ、そこでぐっとこらえてよく考える時間を持つ必要があるのです。
どこでもいいからと転職先を決めれば、それはあなたのキャリアにとって価値のない「逃げ転職」になってしまいます。
これをいい契機として、あなたの明日にとって最善の選択が出来るようにして欲しいと思います。